無双ぶそう)” の例文
旧字:無雙
なにしろ絢爛けんらん無双ぶそうだから、長篇でも短篇でも愉快だった。しかし評判の「マドモアゼル・モオパン」も西洋人のいうほどありがたくはなかった。
仏蘭西文学と僕 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
我の愛か、死をもておびやかすとも得て屈すべからず。宮が愛か、なにがしみかどかむりを飾れると聞く世界無双ぶそう大金剛石だいこんごうせきをもてあがなはんとすとも、いかでか動し得べき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
江州日野五千石ばかりから取上って、今は日本無双ぶそうの大国たる出羽奥州、藤原の秀衡や清原武衡の故地に踏みしかって、四十二万石の大禄を領するに至った氏郷がただ凝然と黙々として居る。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)