火宅くわたく)” の例文
思へば三界の火宅くわたくのがれて、聞くも嬉しきまことの道に入りし御身の、欣求淨土ごんぐじやうどの一念に浮世のきづなき得ざりしこそ恨みなれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
既に火宅くわたくの門を出でゝ法苑の内に入らしめ終んぬ、聊か聞くところありしかば、眼前の迍邅ちゆんてんを縁として身後の安楽を願はせんと、たゞ一度会ひてものいひしに、親はづかしき利根のものにて
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)