漫歩そゞろありき)” の例文
漫歩そゞろありきには似つかはしからぬ恐ろしき道かな、と夫人笑みつゝ云へば、案内者の一人、さのたまへど三とせの前迄は此道全くいばらに塞がれたりき、又己れが幼き頃やしろの圓柱のめぐりに
されど窟墓の一語は忽ち少時の怖ろしき經歴を想ひ起すなかだちとなりぬ。フエデリゴとの漫歩そゞろありきより地下に路を失ひたる時の心の周章など、悉く目前に浮びぬ。われは直ちに絃をはじきて歌ひ出でぬ。
漫歩そゞろありきしてみちに迷ひ、農夫に教へられてわづかに歸ることを得つといふ。