湯漬ゆづ)” の例文
かけさせオヤと言わせる座敷の数も三日と続けばお夏はサルもの捨てた客でもあるまいと湯漬ゆづけかッこむよりも早い札附き
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「おお空腹か、そうであろう、誰か湯漬ゆづけを持って来い。……さてその間にきく事がある。もう本名を明かせてもよかろう」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お食事の進みませんのはどうしたことでしょう。お湯漬ゆづけでもちょっと召し上がってごらんになりませんか」
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ゆるりと落ち着いて話などをしている客に湯漬ゆづけなどが出された。あたりのやや静かになったころ
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
湯漬ゆづけなどのもてなしをしようとしたのであるが、来ることのおくれた自分は、今はせめて近い所にいて看病がしたいと薫は言い、南の縁付きのは僧のへやになっていたから、東側の部屋へや
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)