洒蛙洒蛙しゃあしゃあ)” の例文
直ちに翌日からまるで「葬式とむらい機関車」の奇妙な事件なぞはもう忘れてしまった様に、イケ洒蛙洒蛙しゃあしゃあ平常ふだんの仕事を続け出したんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
そうとは気づかず、楽屋に洒蛙洒蛙しゃあしゃあと顔をさらしていた。どんなにあさましい、けがらわしいヌケヌケとした顔に見えたことだろう。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
洒蛙洒蛙しゃあしゃあとして二階へ上り込んで見ると、お銀様は縮緬の夜具を、頭からスッポリとかぶって寝ていました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
理八のいけ洒蛙洒蛙しゃあしゃあとしたのが面憎かったのでしょう。
「ゴリガンで願っちゃったという話だが、——小柳雅子もひでえカマトトなんですな。洒蛙洒蛙しゃあしゃあとしているそうじゃないですか」
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
洒蛙洒蛙しゃあしゃあとして、よけいなことをしてくれたと言わぬばかりのすまし方であったから、お銀様も面白くなく、そんなら地獄へお帰りなさいと言ってやりたいほどのところを、黙っていると
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうした、明らさまに感ぜられる希望、——というより欲望を無視して、自分で洒蛙洒蛙しゃあしゃあと焼くというようなことは、ちょっとできがたい私の性分である。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)