波間隠なみまがくれ)” の例文
波間隠なみまがくれ推流おしながさるるは、人ならず、宮なるかとひとみを定むる折しもあれ、水勢其処そこに一段急なり、在りける影はつるを放れし箭飛やとびして、行方ゆくへも知らずと胸潰むねつぶるれば、たちまち遠く浮き出でたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)