江湖せけん)” の例文
ここへらんに乗って仮に世へ降りてきたような一仙人と、江湖せけんの俗から拝まれている羅真人は、いま、松鶴軒しょうかくけん椅子いすって、ふと瞑想めいそうからめていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が、かねて江湖せけんに噂のたかい花和尚魯智深ろちしんと会ったのはこのさいである。青面獣の楊志ようしらとも初対面であった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし以後もしばしば、武松の名はいろんな事件で江湖せけんに高くなり、「——あいかわらず、やっているな」と、離れてはいてもその噂だけは、宋江もつねに耳にしていたのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)