水腫みずば)” の例文
その照明にグロテスクにくまどられた顔とともに、水腫みずばれのした咽喉のどを振り立てながら、あのレクトル・エケクランツ老爺おやじが、その品物の真なることを肯定して
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
水腫みずばれのように熱し、ふくれて見える妻のそういうかおが、空の耀きでちらッと見えた。心配そうというよりも、どこかへ突き刺さったままさ迷うような視線である。
と寿平次は笑いながら言って、草鞋わらじのために水腫みずばれのした足をたらいの中の湯に浸した。半蔵も同じように足を洗って、広い囲炉裏ばたから裏庭の見える座敷へ通された。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)