“母乳”の読み方と例文
読み方割合
ちち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仏前にまいるにも、弟子と話すにも、南縁みなみえんから、三十六峰の雲をながめているにも、その膝には、母乳ちちを恋う良人おっとの分身をのせていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家にあっても、良人の職とする町奉行というものの重責に何か、大事が起ったと感じると、彼女の母乳ちちの出方にもすぐひびいた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乏しい母乳ちちを無理に吸われるので、乳くびがうずき痛むたびに、牛若の顔をのぞいても、わが生命いのちを、わが生命とのみは、考えられなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)