“楽手”の読み方と例文
読み方割合
がくしゅ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女のなやましい体臭たいしゅうの影にぴったりとついて行くと、チェリーは楽手がくしゅのいないピアノの側へつれていった。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
するとそこには年の若い軍楽隊ぐんがくたい楽手がくしゅ一人ひとり甲板の上に腹ばいになり、敵の目を避けた角燈の光に聖書を読んでいるのであった。K中尉は何か感動し、この楽手に優しい言葉をかけた。
三つの窓 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
花の楼台ろうだいには、楽手がくしゅや歌姫がならび、玻璃はり銀盤ぎんばんの卓には、珍味が盛り飾られて、朝野の貴紳があらゆる盛装を競ッていた。中でも、一きわ目につく貴公子は、どういう身分のお人なのか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)