業突張ごうつくば)” の例文
金持ちの権勢家、業突張ごうつくばりの水茶屋養母、その犠牲になる若い娘、その娘の情夫いろおとこ。ちゃんと筋立てが出来てらあ、物語の筋にある奴よ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
⦅飛んでもねえ業突張ごうつくばりな旦那さ!⦆と、セリファンも肚の中で考えた。⦅ついぞこれまで、あんな旦那は見たこともねえや。
今じゃもう警察のご厄介やっかいになって、おまけにけちまって、誰も見向きもしないけれども、ほんとにひどい奴で、先生の亡くなられたのも、つまりあの業突張ごうつくばりの為だわ。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「昔なら十両からは笠の台が飛ぶんだ。へん、あんまり業突張ごうつくばりが過ぎらあな」
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
奥さんのいいつけでこの遺書を持って検事さんの所へ行くと、流石さすがのお爺さんも驚いたようだったわ。それから一時間程して、清水の業突張ごうつくばりが書斎へ連れられて来たの。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)