椎鈍しいにび)” の例文
まして柑子色こうじいろの帽子や、椎鈍しいにび法衣ころもなぞは、見慣れているだけに、有れども無きが如くである。内供は人を見ずに、ただ、鼻を見た。——しかし鍵鼻かぎばなはあっても、内供のような鼻は一つも見当らない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)