棄値すてね)” の例文
棄値すてねに売っても五十万の折紙、毎年の採掘高は幾十万円、利益配当の多いことはまず炭山にはほとんどまれで、その炭質の良いことは遠く三池の石炭にも増して
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
まずどう棄値すてねに踏んでもこれなら場所へ出して七十五円から八十円! この辺のあまり上等の品のけぬところでも六十円以下ではとうてい手離せる品ではございません。
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
棄値すてねで売ったり又は著崩きくずしたりして、何一つ身につくもののなかったお島は、少しばかりまとまった収入の当がつくと、それを見越して、月島にいる頃から知っていた呉服屋で
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)