栓抜せんぬ)” の例文
「おい、」と店番の男の子を呼び、「ビイルだったら、お母さんがいなくても出来るわけだね。栓抜せんぬきと、コップを三つ持って来ればいいんだから。」
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
四度目にビールの栓抜せんぬきとコップを、ちょうどさむらいが座敷に入るとき片手で提げるような形式張ったひじの張り方で持出すと、洋服の腰に巻いていた妙な覆い布を剥ぎ去って台所へほうり込んだ。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)