柝木ひやうしぎ)” の例文
此時鎮守の森の陰あたりから、夜をいましめる柝木ひやうしぎの音がかち/\と聞えて、それが段々向ふヘ/\ととほざかつて行く。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
団洲の目玉は有名なり、然れども彼の目玉も亦た一種の整合術に過ぎざるなり。柝木ひやうしぎの響と彼の目玉と相聯関して三階の喝采を博する時、吾人は何等の妙味をも感ぜざるなり。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
十五分毎には柝木ひやうしぎと忍びとが代る/″\必ず廻つて歩くといふ、これならばんな天魔でも容易に手を下す事が出来まいと思はれるばかりの警戒を加へて居て
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)