枳梖ケンボナシ)” の例文
彼の母はそれを見兼ねて枳梖ケンボナシの実を拾って来て其塞った鼻の孔へ押し込んでは僅かに呼吸の途をつけてやった。それは霜が木の葉を蹴落す冬のことであった。枳梖の木は竹藪の中に在った。
太十と其犬 (新字新仮名) / 長塚節(著)