木像蟹もくぞうがに)” の例文
その姿を、無作法に眼で撫で廻しながら、人足たちは木像蟹もくぞうがにのような腕をんで近づいて来た。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木像蟹もくぞうがにが庭の流れで小蟹と遊んでいるわえとホホ笑まれたぞ。なかなか、きさまも風流だな」
家中では木像蟹もくぞうがにとアダ名があり、他家の御執事とは型ちがいで、いたって不行儀なほうである。それにこのごろ奥歯かどこか、歯を病んでいるらしく、片方のアゴが少しふくれている。
木像蟹もくぞうがにのような腕が、いきなり彼女の笠のふちをつかんだ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの、木像蟹もくぞうがにどのが、このままだまっているだろうか」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)