月湖げっこ)” の例文
おんなはまた父が歿くなって一家が離散したので、金蓮と二人で月湖げっこの西に僑居かりずまいをしているものだとも云った。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ほかに兄弟もなく、親戚みよりも少ないので、この金蓮きんれんとただふたりで月湖げっこの西に仮住居をいたしております
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
その日喬生は月湖げっこの西岸へ往った。湖西の人家は湖に沿うてあっちこっちに点在していた、湖の水は微陽うすびした空のもとに青どろんで見えた。そこには湖の中へ通じた長いつつみもあった。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)