曲路かあぶ)” の例文
山の曲路かあぶに煤けた吹き溜りの雪がやうやく蒼空に消え失せるときはもう五月、明るい空を山一杯にほつと仰ぐともう夏の盛りが来てゐた。
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
来る路に、龍然が残骸をねせたあの曲路かあぶでも、二人は休まずに通りすぎた。
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)