暹羅しゃむ)” の例文
もしも外形だけで云ふなら、庄造だつてもつと美しい波斯ぺるしゃ猫だの暹羅しゃむ猫だのを知つてゐるが、でも此のリヽーは性質が実に愛らしかつた。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
象眼入の鳥銃がいい! 暹羅しゃむから献じたあいつがいい。……沈香で部屋をくゆらせろ、伽羅で部屋をくゆらせろ! 龍涎香で部屋をくゆらせろ!
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もしも外形だけで云ふなら、庄造だつてもつと美しい波斯ぺるしゃ猫だの暹羅しゃむ猫だのを知つてゐるが、でも此のリヽーは性質が実に愛らしかつた。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
次に秋月種実が強迫的に得ようとしたが呂宋るそん暹羅しゃむ、明国を股にかけ、地獄をも天国をも恐れようとはしない海上王たる宗湛に執っては、強迫が強迫に成らなかった。で、ニベも無く断わった。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)