晨星しんせい)” の例文
が、普通読者間にはやはり豚に真珠であって、当時にあってこの二篇の価値を承認したものは真に寥々りょうりょう晨星しんせいであった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
古来邦画家は先人の画風を追従するにとどまって新機軸を出す人は誠に寥々りょうりょうたる晨星しんせいのごときものがあった。これらは皆知って疑わぬ人であったとも言われよう。
知と疑い (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
敬すべきが如し、然れども是れ銅臭紛々たる人に非ずんば、黄金山を夢むるの児なり、其中に於て高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの、即ち晨星しんせいたゞならじ、束髪峨々がゝとして緑鬖りよくさん額をつゝみ
晨星しんせいのやうにさびしく人家の点在してゐるところへと出て行つた。
伊良湖岬 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)