晒問屋さらしどんや)” の例文
中村の家もまた晒問屋さらしどんやでした。お幸が中村家の手伝ひをするやうになつてからもう五月程になるのですがこの最近の四五日程苦しい思ひをさせられたことはありませんでした。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
自家に所有権のあつた其沢山の田に取巻かれた三本松ぼんまつの丘の家は、今では村の晒問屋さらしどんや山仁やまにの別荘になつて居ることもお幸兄第にはお伽噺とぎばなしの中の一つの事実くらゐにしか思はれないのでした。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)