日本晴にっぽんばれ)” の例文
霜ははれに伴う。霜の十一月は、日本晴にっぽんばれの明るい明るい月である。富士は真白。武蔵野の空は高く、たゝけばカン/\しそうな、碧瑠璃へきるりになる。朝日夕日が美しい。月や星がえる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さあその新潟から帰った当座は、坊やも——名はたまきといったよ——環も元気づいて、いそいそして、嬉しそうだし、私も日本晴にっぽんばれがしたような心持で、病気も何にもあったもんじゃあないわ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんなことより滝さん、もっと立派な、日本晴にっぽんばれ盗賊どろぼうがありやしないかしら。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)