日暮門ひぐらしもん)” の例文
かかる驚く可き建造物の絵も従来一つとして出来ていない。一つの門を日本語で「日暮門ひぐらしもん」という。その緻密な彫刻の細部を詳しく見るのに、一日かかるからである。
この橋から向うは、江戸城の外濠そとぼり、大手門、桔梗門ききょうもん日暮門ひぐらしもん、それを取り巻く家屋敷というものも、およそは皆大名の邸宅で、普通の住居はない筈だが、あの侍、一体どこへ帰るのだろう。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)