施無畏せむい)” の例文
左手を静かに上に挙げて施無畏せむいの印をむすび、右手は下方ゆるやかにさげたまま施満願の印をむすんでいる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
心の中に、なんの恐れも、憂いも、心配も、苦労もない、というのが、「恐怖あることなし」です。浅草の観音さまへお参りすると、有名な玄岱げんたいという人の書いた「施無畏せむい」という額があります。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
大誦たいしょうは訳官になって深見氏を称した。深見は渤海ぼっかいである。高氏は渤海よりでたからこの氏を称したのである。天漪は書を以て鳴ったもので、浅草寺せんそうじ施無畏せむい匾額へんがくの如きは、人の皆知る所である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)