新嘉坡しんがぽうる)” の例文
新嘉坡しんがぽうる香港ほんこんなどで夏花なつばなの盛りに逢つて来た鏡子は、この草や木を見て、東のはてのつゝましい国に帰つて来たと云ふ寂しみを感じぬでもなかつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
コロンボと過ぎて新嘉坡しんがぽうるに船の着く前に、恋しい子供達の音信たよりが来て居るかも知れぬと云ふのぞみに心を引かれたのと一緒で自身のために此処こゝ迄来て居る身内のあるのを予期して居たからである。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)