敷布シイツ)” の例文
『どうかして下さい。痛、痛つ‥‥‥』と、その時お前は顏を歪めて、敷布シイツの上にのけぞりながら身もがきした。私は我知らず顏を反けずにはゐられなかつた。
疑惑 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
慶三は矢庭やにわに掛蒲団を剥ぎのけた後、眼を皿のようにして白い敷布シイツの上から何物かを捜し出そうとするらしくやや暫く瞳子ひとみを据えた後、しきりに鼻を摺付すりつけて物のにおいでもかぐような挙動をした。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
血だらけの安楽椅子のクッション覆いカバアと、同じく血に染んだ敷布シイツとである。
土から手が (新字新仮名) / 牧逸馬(著)