数奇者すきしゃ)” の例文
日本橋のたもとに立って、橋を渡る棺桶の数を数える数奇者すきしゃはなかったが、仕事に離れて、財布の中の銭を勘定する労働者は無数であった。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
いずれ数奇者すきしゃで、彫刻を見るのが珍しいのであろう位に思っていた。風采の上から、まず自分の見当は違うまいなど思っていた。
当時或る一部の数奇者すきしゃ——単に数奇者といっては意を尽くせませんが、或る一部の学者物識ものしりであって、日本の美術工芸を愛好する人たち——そういう人たちが、その頃の日本の絵画