据物斬すゑものぎり)” の例文
體術と据物斬すゑものぎりひいでたといふ、お菊殺しの下手人は誰? どうくびひねつたところで、ガラツ八には解りさうもなかつたのです。
東京では祝賀會に、豚の据物斬すゑものぎりをして、豚汁をつくり、祝酒いはひざけを飮むことが多かつた。父は豚の据物斬すゑものぎりが自慢だつたが、そんな時の父を、私はあんまり好かない。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「覺悟の上のお手討だ。家來の腕利きにやらせたのでない證據は、この切口の亂暴な樣子で解るだらう。据物斬すゑものぎりの腕がなきや人間の首は切れねえ」
重ね着をした人間を、たつた一と太刀で、これだけ斬り下げるのは、据物斬すゑものぎりの名人でなければなりません。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「大丈夫だ、それに相違なかつたんだ。お菊を殺したのは徳松なんかぢやない、据物斬すゑものぎりの名人だよ」
相手がやくざ者なら背中の方がもつとけて居る筈だ、——ところが、權次は背後から斬られて居るくせに、切先が胸の方へ下がつて居る、これは据物斬すゑものぎりの名人の腕前だ。
据物斬すゑものぎりの名人だらう。藁束わらたばの氣で人間を切りやがる」