捕鼠器ねずみとり)” の例文
いくらねずみでも時代と共に知恵が進んで来るのを、いつまでも同じ旧式の捕鼠器ねずみとりでとろうとするのがいけないのでないかという気もする。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
時には、自分の身体にまで上って来るような物凄ものすごい恐怖に襲われて、眼が覚めることが有った。深夜に、高瀬は妻を呼起して、二人で台所をゴトゴト言わせて、捕鼠器ねずみとりを仕掛けた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もっとも、彼は初手から捕鼠器ねずみとりにかかった鼠のような、一種の氣まずさを感じていたのだから、單に氣おくれがしていただけかも知れない。しかしヴェリチャーニノフはカッとなってしまった。
木の板の上に鉄のばねを取り付けた捕鼠器ねずみとりもいくつか買って来て仕掛けた。はじめのうちはよく小さな子ねずみがれた。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
せっかく仕掛けてある捕鼠器ねずみとりの口が、いかにはいりたいねずみにでもはいれないような位置に押しやられていたり
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)