技倆うでまえ)” の例文
「性来白痴の葉之助が、近藤司気太、白井誠三郎、山田左膳というような武道自慢の若者どもを打ち込むほどの技倆うでまえになれるか!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ね、どう? ちょいと、あざやかな技倆うでまえでしょう? 門倉さん、それからみなさん方——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あんまりお技倆うでまえが立派じゃによって……」と、もう一人の武士が後をついで云った。「招待しようと申しておるので」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「盲目でしかも片腕で、得物といえば竹の杖で、われらの仲間のその中にあっても、そうとうな沖田と毛利氏とを、一突きずつで退治た技倆うでまえ……」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあ束になって掛かって来い。才蔵様の神妙の技倆うでまえ、見て驚き聞いて驚きもう一つぶつかって驚くがいい!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さすがはご親父南条殿は小野派一刀流では天下の名人、松崎殿にも劣るまいが、その三男に産まれただけあって十二歳の小腕には過ぎた技倆うでまえ、私も嬉しく頼もしく思う」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とそこは女、思わず悲鳴はあげたものの、復讐の場合、必死のおりから、捕られてなろうか、切り散らそうと、小太刀を使わせてはかなりの技倆うでまえ、くぐりつ脱けつ、くぐりつ脱けつ
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小太刀を使わせては相当の技倆うでまえ、その織江ではあったけれど、不意ではあり油断もしてい、躯も疲労つかれていた上に、相手の女の締めの業、冴え勝れていたからであろう、抜き持っていた懐刀を
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)