手足纏てあしまと)” の例文
その車をいている車夫の一人で、女房に死なれて、手足纏てあしまといになる男の子を隣家へ頼んで置いて、稼ぎに出かけて往く者があった。
車屋の小供 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もしも仙薬を採って直ぐにかえってくる航海だったら、そんな手足纏てあしまといを同船する必要は少しもなく、同時に他意あることを疑われもしたであろう。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
益満には、そち如き手足纏てあしまといであろうが、わしは、一人の妹として、生きるも、殺すも、二人っきりじゃ。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)