戞戞かつかつ)” の例文
「もう僕は、憎まれる憎まれる。誰も分ってくれやしない。」と栖方はまた呟いたが、歩調は一層活溌かっぱつ戞戞かつかつと響いた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
幕末のころぼうと云う医師があって夜遅く病家へ往って帰っていた。それは月の明るい晩であった。其の大手を通っていると、戞戞かつかつと云うおびただしい馬のひづめの音が聞えて来た。
首のない騎馬武者 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)