“懐古園”の読み方と例文
読み方割合
かいこえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日は、校長はじめ、他の同僚も懐古園かいこえんの方へ弓をひきに出掛けた。あの緑蔭には、同志の者が集って十五間ばかりの矢場を造ってある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
四月の二十日頃に成らなければ、花が咲かない。梅も桜もすももほとんど同時に開く。城址の懐古園かいこえんには二十五日に祭があるが、その頃が花の盛りだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私は懐古園かいこえんの松に掛った雪が、時々くずれ落ちるたびに、濛々もうもうとした白いけむりを揚げるのを見た。谷底にある竹の林が皆な草のようにて了ったのをも見た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)