慷慨悲憤こうがいひふん)” の例文
国内のことにむなしく慷慨悲憤こうがいひふんしている連中などの、梯子はしごをかけても及ばないところにその着眼と規模とがあって、長崎の微々たる小吏でありながら
そこには常に諸国から志士人傑が集まっていて、慷慨悲憤こうがいひふんの議論の絶えるときがなかった。しかしかれはその中にあっても悄然しょうぜんひと緘黙かんもくしていた。どのような熱狂にも巻きこまれなかった。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
宿に着いて、風呂を上り夕飯も済んで例の浪士どもは、慷慨悲憤こうがいひふんの口調で、国事の日に非なるを論じ合っていたが、竜之助はそれにかかわらず外へ出ました。