惹起ひきお)” の例文
かかることはどこでもまれなることである。台湾においてもまたまれであるから、ことに強く僕の感激を惹起ひきおこさしめた。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
俺は陶を殺してはいないのだから、今迄は死骸を見てもなんの感情も惹起ひきおきなかったが、陶が投身したかも知れぬということになれば、話はまた別である。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もちろん彼とて、ハスレルのような大作曲家によつて惹起ひきおこされる感激に、無感覚ではなかった。