おび)” の例文
おびえたやうな声が響いて、軍治は矢庭に急な板梯子を中途からとび下り、居間の障子を引き開けると、蒔はもう歯のないよぢれた膜のやうな唇を間を置いて開き、又閉ぢしてゐるだけであつて
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)