怜悧かしこ)” の例文
此語の後に潜んだ意味などを、察する程に怜悧かしこいお定ではないので、何だか賞められた様な気がして、そつと口元に笑を含んだ。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
墓にまいる人にしきみ綫香せんこうを売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧かしこそうなおかみさんがいた。わたくしはこの女の口から絶望の答を聞いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此の後に潜んだ意味などを察する程に、怜悧かしこいお定ではないので、何だか賞められた樣な氣がして、そつと口元に笑を含んだ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)