心臓痲痺しんぞうまひ)” の例文
「か」の字川の瀬の中に板囲いたがこいをした、「独鈷とっこの湯」と言う共同風呂がある、その温泉の石槽いしぶねの中にまる一晩沈んでいた揚句あげく心臓痲痺しんぞうまひを起して死んだのです。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
現代いまの言葉でいうと心臓痲痺しんぞうまひであろう、あまりな不意の驚きに逆上したとたん、あえなくなったものらしいが、引続いたこの二つの凶事に長屋じゅうはたちまち上を下への騒ぎになった。