徳山とくさん)” の例文
何とまあ好い言葉だろう、此時此場、此上に好い語は有るまい。政宗は古禅僧の徳山とくさんの意気である、それもたしかにおもしろい。然し利家は徳山どころではない、大禅師だ。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
芭蕉が「草庵に暫く居ては打やふり」と付けたる付け方、徳山とくさんの棒が空にひらめくやうにして、息もつまるばかりなり。どこからこんな句をねんして来るか、恐しと云ふほかなし。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これは一門皆学者だつた博覧多識の去来には徳山とくさんの棒よりも手痛かつたであらう。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)