御蝋おろう)” の例文
出家は、真直まっすぐに御廚子みずしの前、かさかさと袈裟けさをずらして、たもとからマッチを出すと、伸上のびあがって御蝋おろうを点じ、ひたいたなそこを合わせたが、引返ひきかえしてもう一枚、たたずんだ人の前の戸を開けた。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)