御支度所おしたくじよ)” の例文
石段を下り切つたぐ前に、眞ツ黒な古ぼけた家が、やみの中から影の如く見えてゐた。内部なかのラムプの光で黄色く浮き出した腰高こしだか障子しやうじには、『御支度所おしたくじよ大和屋やまとや』といふ文字もんじぼうとして讀まれた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)