御愁傷ごしゅうしょう)” の例文
御愁傷ごしゅうしょうといふやうに聞え候て、物寂しき心地致され申候。雨あがりの三日月みかづき、夕焼雲の棚曳たなびくさまもの大木の梢に打眺め候へば誠に諸行無常しょぎょうむじょうの思ひに打たれ申候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「飛んだお災難でござったな。何とも御愁傷ごしゅうしょうの至りでござる。わははは、わははは、黒めがなかなか味を致しましたわい。どうでござるな、御怪我はござらなかったかな」
ナントモ御愁傷ごしゅうしょうさまな次第なンでござります。……と、申しましても、決して御登山の御愉快にケチをつけようなどという狭い了見から申しあげているのではございませン。
藤「お萓、そう呼ぶものではない、文治殿、さぞ/\御愁傷ごしゅうしょうでござりましょう」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ドウも御苦労さま、此方様こちらさまでも御愁傷ごしゅうしょうな」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)