御寵恩ごちょうおん)” の例文
上洛なせば、堂上こぞって尊氏を指弾しだんし、身の申し開き如何いかんを問わず、万々の御譴責ごけんせきはあるだろう。……が、わしは天皇の御寵恩ごちょうおんにそむき奉ることはできぬ。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たまたまの風雲にじょうじ、関東の野より、俄に、中原ちゅうげんへ兵馬を張って出た私への、かずかずなる御寵恩ごちょうおんやら、また人をも超えた御信任を賜わったことなどは、日はても、何で忘れておりましょう
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)