御上おんかみ)” の例文
養竹啓。今日は駿河路と奉摟指候。定而さだめて不二は大きからうと奉存候。御上おんかみ益御きげん能奉恐悦候。大木斎兵衛歿す。木挽町まづは居なりの由、路考半分すけ也。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「十七日。晴。御上おんかみ東京より御帰藩被遊候に付、四半時平服に而出仕。松尾へ寄。同人御供に而帰著に付。」正桓と医官松尾立造りふざうとが福山に還つたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「廿九日。晴。朝四時頃品川著船。鮫津川崎屋へ上陸。夫々分散。病院は脇本陣広島屋太兵衛へ落著。御上おんかみ当時御在府に而、一統へ御意有之並に為陣服料ぢんふくれうとして金三両づつ被成下なしくださる。尤典式伊木市十郎御使者也。」席順には「典式伊木市左衛門、三十八」と云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)