得々とく/\)” の例文
己の耳には、メリー嬢の得々とく/\として語る説明の言葉も、黒ん坊の無礼極まる冗談も、見物人の哄笑こうしょうも、残らず聞えて居る。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
けれど其古風な門は依然たる昔のまゝで、自分は小倉こくら古袴ふるばかまの短いのを着、肩をいからして、得々とく/\として其門に入つて行つたと思ふと、言ふに言はれぬなつかしい心地がして
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)