彦徳ひょっとこ)” の例文
その矢の根五郎吉が命にかけて隠しおおせた二千両の金を、弟分の彦徳ひょっとこの源太が、五郎吉を縛った俺やお前にくれるというのは可怪おかしいじゃないか
「あっしもすぐそう思いましたよ。あの彦徳ひょっとこの源太の野郎が、可哀想に十三や十四の若様を誘い出したんじゃあるまいかと、大滝も鼠坂も見ましたが、影も形もねえ」
八五郎はそれっきり顔を見せず、彦徳ひょっとこの源太に呼出される前、一応の注意をしておくべきであったと思いましたが、その運びもつかぬうちに、夜は次第に深くなります。