朝廷から従四位下弾正少弼だんじやうせうひつに叙任されると、朝恩の厚きに感激し、「我ながらにして、官爵を受く、これ恐らくは人臣の大義に非ず。まさに上洛して天恩を拝謝せん」
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
越後権介ごんのすけに任じ、同日院昇殿をゆるされ、その後弾正少弼だんじやうせうひつを経て修理大夫に至り、位は天保十三年十二月廿二日従四位上に叙せられたことまでは、地下家伝ぢげかでんによつて知ることが出来る。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)