廃残はいざん)” の例文
旧字:廢殘
廃残はいざんである。破産である。光栄の十字架ではなく、灰色の黙殺を受けたのである。ざまのよいものではなかった。幕切れの大見得切っても、いつまでも幕が降りずに、閉口している役者に似ていた。
花燭 (新字新仮名) / 太宰治(著)