平生服ふだんぎ)” の例文
陶然とよき心地ここちになりて浴をで、使女おんなはお平生服ふだんぎを無造作に引きかけて、葉巻握りし右手めての甲に額をこすりながら、母が八畳の居間に入り来たりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
旅衣を平生服ふだんぎ着心地きごこちよきにかえ、窓外にほゆる夜あらしの音を聞きつつ居間の暖炉に足さしのべて、聞きなれし時計の軋々きつきつを聞くは、まったき愉快の一なるべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)